自分に合う口座を選ぶと、希望する投信に少額から定期的に投資し、入金や買付けの手間を減らせます。まず「買いたい投信を、使いたいNISAの枠で買えるか」から絞り、予算に合う設定、入金方法、困ったときの確認先を比べましょう。すでに使っている金融機関で条件がそろっていれば、その口座でも積立を始めたり続けたりできます。積立設定の例・銀行引落しの例
この記事では、ウェブ中心で投信積立を利用する成人の方に向け、松井証券・マネックス証券・SBI証券の公開条件を比較します。少額の投信積立とNISAを扱うネット証券から、同じ確認項目を並べられる3社を例にしました。すべての金融機関を調べたランキングではなく、掲載順にも優劣の意味はありません。
商品の中身と制度の違いを先に整理したい方は、NISAと投資信託の役割を整理する記事へ。ほかの読み物は投資信託・ETFの入口にまとめています。
先に自分の条件を四つ決める
会社名を見る前に、次の四つを書き出してみてください。
- 積み立てたい投信の正式名称。同じ「全世界株式」「バランス」でも別の商品があります。名称、運用会社、為替ヘッジの有無まで合わせます。
- 毎月の予算と頻度。毎月1回なのか、毎週・毎日に分けたいのか。少額から設定できる仕組みを使い、家計に合わせた金額を選びます。
- お金の出どころ。いま使っている銀行から入金するか、銀行引落しを使うか、対象カードで決済するかを決めます。
- 困ったときの確認方法。平日の電話、休日の電話、画面の操作ガイドなど、自分が利用できる時間と方法を確認します。
候補の投信がまだ決まっていなければ、口座のキャンペーンから逆算して商品を選ぶ必要はありません。まずは投信の中身と重なりを確かめる記事を使い、どんな資産を持つのかを整理します。
同じ条件にそろえて3社を比べる
下表の「毎月の最小額」と「頻度」は、現金を使い、対象投信をNISAつみたて投資枠で個別に積み立てる場合の比較です。カード積立、銀行から直接買い付ける方式、複数投信の一括設定とは条件を分けています。銘柄による例外や休業日の扱いは、各社の設定画面で確かめてください。
| 比べる項目 | 松井証券 | マネックス証券 | SBI証券 |
|---|---|---|---|
| 毎月1回の積立額 | 100円以上、1円単位。設定条件 | 原則100円以上、1円単位。銘柄による例外あり。積立ルール | おおむね100円以上、1円単位。銘柄による例外あり。設定条件 |
| つみたて投資枠の現金積立の頻度 | 毎日・毎月。毎週は対象外。取引ルール | 毎月、または毎日。毎日は月額指定のみで、原則月2,300円以上、1円単位。積立ルール | 毎日・毎週・毎月。複数日・隔月は対象外。設定条件 |
| 銀行から資金を回す方法の例 | 指定銀行から総合口座への定期入金。投信口座への振替・振替アシストも確認。入金・取引ルール | 証券口座へのつみたて定期自動入金。「銀行de自動つみたて」等の銀行引落型は別方式。積立ルール・方式の違い | 銀行引落サービスで指定銀行から証券口座へ毎月入金。引落手数料は無料。銀行引落 |
| 電話で確認できる時間の例 | 投信・NISA専用窓口は平日8:30~17:00。問い合わせ先 | お客様ダイヤル、口座開設サポートは平日8:00~17:00。問い合わせ先 | 投信・NISAは平日8:00~17:00、土日9:00~17:00。年末年始や臨時休業は案内を確認。問い合わせ先 |
「毎日積立」の見出しだけでは、同じ設定とは限りません。 マネックスの月額指定は、決めた月額をその月のファンド営業日に分ける方式です。日額指定はつみたて投資枠では利用できません。一方、SBIのつみたて投資枠には毎週の選択肢があります。頻度の多さは利益の大きさを示すものではなく、予算管理や操作の都合で選ぶ条件です。マネックスの積立ルール・SBIの設定条件
銀行引落しは、毎回手動で入金する手間を減らせる方法です。利用する場合は、銀行から引き落とす日、証券口座に反映する日、投信を買い付ける日を分けて確認します(銀行引落しの例)。銀行側で引落しが終わっていても、希望する買付日に資金が間に合うとは限りません。対応銀行、最低引落額、初回の締切も確認しましょう。マネックスの銀行引落型の二方式は原則1,000円からで、証券口座からの毎月100円積立とは条件が異なります。方式ごとの条件
カード積立は別の条件で比較する
カード積立を使う人は、上表の現金積立の条件をそのまま当てはめないでください。松井は毎月100円~10万円、マネックスは原則1,000円以上で月合計10万円までです。SBIはカード決済では毎月コースになります。いずれも、対応カード、設定締切、買付日、変更・解除の反映時期を公式案内で確認します。松井のカード積立・マネックスのカード積立・SBIの設定条件
手持ちのカードが利用できるかは、ブランドのロゴだけでは判断できません。新しいカードを作るなら、年会費や利用条件、引落口座の管理も含めて考えます。本稿では、条件や期間が変わるポイント還元・キャンペーンで会社の順位を付けていません。
投信の取扱いは正式名称とNISAの枠で確かめる
投信の総本数が多くても、自分が検討する1本を扱っていなければ目的に合いません。各社の公式検索で正式名称を入力し、個別ページで次の順に確認します。
- 商品名と運用会社が一致している。
- 通常の購入だけでなく、積立の対象になっている。
- 利用したい「NISAつみたて投資枠」または「成長投資枠」の表示がある。
- 選んだ決済方法で、希望額を設定できる。
検索の使い方は、松井の銘柄検索ヘルプ、マネックスのファンド検索、SBIのファンド検索の案内で確認できます。NISAの対象であることと、その金融機関でその枠・方式を使って買えることを、別々に確認するのがポイントです。
名称を照合する例として、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は3社の現行公式ページで一般の取扱いを確認できます。松井の取引ルール・マネックスの個別ページ・SBIの紹介ページ。これは照合方法を示す例で、この投信の購入を勧めるものではありません。自分の候補銘柄でも同じ確認を行い、NISAの枠と積立方法を指定した際の表示まで確かめてください。
候補が見つからないときは、名前の似た別商品に置き換える前に、運用会社の販売会社情報や各社の窓口を確認します。希望する投信を扱う今の金融機関を使い続けることも選択肢です。
口座の費用と投信そのものの費用を分ける
| 費用の種類 | 松井証券 | マネックス証券 | SBI証券 |
|---|---|---|---|
| 口座の開設・維持管理 | 開設無料。個人の口座基本料・保護預り料は原則無料。書面の郵送交付等には例外あり。開設・基本料 | 口座開設・管理・維持費は無料。その他費用 | 口座開設費・口座管理料は無料。費用FAQ |
| 投信の購入時手数料 | 無料。投信ルール | インターネット購入は無料。手数料の説明 | インターネットコースは原則無料。一部銘柄・別コースは個別条件を確認。手数料FAQ |
松井の書面郵送交付では年1,100円(税込)の口座基本料がかかる場合があります。郵送を希望する方は、適用条件を確認してください。口座基本料の注意事項
購入時の費用を抑えやすい点は、3社に共通する利点です。一方、保有中の信託報酬、その他の運用費用、商品によっては換金時の信託財産留保額などは別にかかります。購入先の費用と、投信の目論見書・運用報告書に載る費用を分けて見ます。同一ファンドの信託報酬率は、販売会社を変えるだけで別の率になるものではありません。マネックスの費用の説明
また、銀行振込の手数料、カード年会費、書面交付、他社への移管などは利用するサービスごとに確認します。「口座維持費が無料だから、関連する手続きもすべて無料」とは考えないようにしましょう。
三つのケースで候補の残し方を考える
以下は、条件を絞るための架空の例です。年齢や職業だけで投資先・積立額を決めるものではありません。
ケース1 初めてで毎月少額を現金で積み立てたい
毎月1回、証券口座の現金で積み立てるなら、3社にはいずれも100円から設定できる仕組みがあります。まず希望銘柄を確認し、次に使っている銀行からの入金方法と、設定変更・停止の画面が分かるかを比べます。最低額だけでは候補は一つに絞れません。松井の設定条件・マネックスの積立ルール・SBIの設定条件
投信専用窓口で平日に確認したい人なら松井の専用サポートを候補条件にできます。日中に時間を取りにくく、土日に投信・NISAの質問をしたい人ならSBIの該当窓口を確認できます。これは窓口の設置・時間の違いで、応対品質や必ずつながることを評価したものではありません。松井の窓口・SBIの窓口
ケース2 毎月1回以外の積立方法を使いたい
NISAつみたて投資枠の現金積立を「毎週」にしたい場合、この3社の確認範囲ではSBIが候補に残ります。松井はつみたて投資枠の毎週が対象外、マネックスの自動つみたては毎月または毎日です。松井のルール・マネックスのルール・SBIの設定条件
一方、「月の予算を固定し、その中で毎日に分けたい」なら、マネックスの毎日つみたて・月額指定を確認します。原則月2,300円からなので、月1,000円だけ使いたい人にはこの方式は合いません。毎月積立に変えるか、他の条件を調べる余地があります。頻度を増やすために、無理に月額を増やす必要はありません。マネックスの月額指定
ケース3 すでにNISAで投信を持っている
いまの金融機関で希望銘柄を買え、積立額・入金・操作・相談に困っていなければ、そのまま使う候補を残します。新しい口座の開設だけで、すでに持つ投信の中身や費用が改善するわけではありません。
変更を考えるなら、「困っていること」と「変更先で解消する条件」を一組にします。たとえば希望銘柄がない、必要な積立頻度に対応しない、連絡できる時間が合わない、といった理由です。小さな付帯特典だけで決めず、旧口座を含む管理の手間も比べましょう。
NISAの変更と保有済みの商品を先に整理する
NISAの金融機関は年単位で変更できますが、その年に変更前のNISA口座で買付けをしていれば、その年分の変更はできません。変更手続きの対象期間は、変更したい年の前年10月1日からその年の9月30日までです。金融機関側の受付締切や所要日数も別途確認します。つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で使うことはできません。金融庁のNISA FAQ
金融機関を変更しても、旧口座のNISA保有商品を新しい金融機関のNISAへ移すことはできません。 旧口座で保有を続けることはでき、対象商品の非課税の取扱いも続きます。新規買付け先の変更と、保有済み商品の売却は別の判断です。口座をまとめるためだけに、売却・買い直しを急ぐ必要はありません。日本証券業協会のNISA FAQ Q58・Q60
変更時には、旧金融機関の積立設定がどう扱われるか、新金融機関でいつから設定できるか、銀行引落しやカード登録を別に変更する必要があるかを双方に確認します。課税口座や旧NISAの商品を持つ場合も、同じ扱いと決めつけず区分を分けて調べます。
使う目的に合わせて申込みの判断を進める
使う時期に合う資金を確保し、候補投信の内容と口座の条件を確認できたら、開設手順へ進めます。情報が足りない場合は、次の点を補います。
円の普通預金は、金額の安定性と必要なときに引き出しやすい点が、近く使うお金や生活の備えに役立ちます。一方、物価上昇率が預金の利回りを上回る場合には、残高が増えても購買力が下がることがあります。預金で確保するお金と、値動きを受け入れて運用するお金を、使う目的と時期から分けて考えます。金融商品の特徴
- 資金の使い分け。近く使うお金や生活の備えを確認し、投信積立に回す金額を考えます。使う目的と時期の整理が役立ちます。
- 商品の理解。候補投信の投資対象、費用、値下がりの影響を確認し、保有する目的に合うかを判断します。
- 相談方法。対面で継続的に相談したい、個別事情に合わせた助言が必要なら、この3社のネットサービスだけでなく、相談付きサービスの内容と費用も比較します。
- 利用条件。未成年者、非居住者、海外転居を予定している方などは、通常の成人向け条件との違いを金融機関に確認します。
- NISAの開設状況。既存口座があるかを確認し、新規開設か金融機関変更かを選びます。確認方法は金融庁のFAQにも案内があります。
口座開設と投信の購入は別の手続き
口座の申込みでは、本人確認・番号確認の書類、連絡先、登録する銀行口座などを準備します。必要書類の組合せやオンライン本人確認の方法は、各社の公式手順で確認してください。証券総合口座とNISA口座は、同時に申し込める場合でも、開設・確認の状態をそれぞれ確認する必要があります。マネックスの開設手順・SBIの開設手順・松井の開設案内
口座ができただけで、投信を保有したことにはなりません。資金の準備、商品の資料の確認、口座区分の選択、積立設定を経て、実際の注文・約定を確認します。買付余力不足や設定締切によって、予定どおり買付けされないこともあります。松井の取引ルール・マネックスの積立ルール・SBIの設定条件
設定後には、金額を変える方法、積立を止める方法、保有投信を売却する方法も確認しておきましょう。積立の停止と、保有商品の売却は別です。すでに発注された注文には設定変更が反映されない場合があるため、「次回から止まるか」まで確かめます。たとえばSBIは、発注済み注文には積立設定の変更が反映されないと案内しています。SBIの設定・注文ルール
本稿は一般的な比較情報です。特定の商品・金融機関の利用や、投資額・資産配分を一律に勧めるものではありません。NISAでも元本は保証されず、損失が生じることがあります。判断に個別の税務・家計事情が関わる場合は、必要に応じて専門家に確認してください。
申込前のチェックリスト
□ 候補投信の正式名称と運用会社を確認し、投資対象・主なリスク・費用を説明できる。
□ 希望する金融機関で、その銘柄を利用したいNISAの枠・積立方法で買えることを確認した。
□ 最低設定額ではなく、家計に無理のない月額を決めた。毎日・毎週の設定なら月の合計も見た。
□ 入金元の銀行や対象カードが利用でき、最低引落額、締切、入金反映日、初回買付予定日を確認した。
□ 口座の費用、購入時手数料、信託報酬等、必要な付帯サービスの費用を分けて確認した。
□ 困ったときの窓口と受付時間、設定変更・停止の方法を確認した。
□ 既存NISA口座の有無と今年の買付け状況を確認した。変更する場合は、新規買付け先と保有済み商品の扱いを分けて整理した。
□ 本人確認などの必要書類と、申込者本人の利用条件を公式手順で確認した。個人番号・書類画像・パスワードは、このサイトや第三者へ送らない。
□ 新しい口座で始める、今の金融機関を使う、今回は見送る選択肢を、目的に合うかで比べた。
□ 候補を選んだら、松井の開設案内・マネックスの開設手順・SBIの開設手順で最新条件と必要な手続きを確認する。口座開設と購入・積立設定は別に判断する。