銀行を選ぶときは、金利の高さだけでなく「何のために使うか」を先に決めます。給与の受け取りや支払いに使う口座なら、よく使うATMと振込の費用、引落先への対応が大切です。しばらく使わないお金なら、預入期間と途中で必要になった場合の扱いも比べます。

この記事では国内個人向けの円預金を対象に、三菱UFJ銀行とSBI新生銀行の条件を具体例として整理します。全銀行のランキングではありません。今の口座で用事が足りるなら、新しい口座を作らない選択もあります。外貨預金・仕組預金・法人口座は対象外です。

口座を増やす前に今の使い方を書き出す

まず、毎月の現金引出しと他行振込が何回あるか、どのATMを使うか、給与や年金の受取先を変更できるかを書き出してください。次に、困っていることを「手数料」「使える場所」「貯蓄の管理」「証券口座との資金移動」のいずれかに絞ります。

今の口座の無料範囲で足り、必要なときに出金できているなら、金利差だけで生活口座を移す必要はありません。新口座を追加すると、認証、残高、住所変更や不正利用の確認先も増えます。生活の備えだけを分ける場合も、口座を分ける目的がはっきりしてから進めましょう。

使う時期そのものが決まらない方は、先にお金を使う目的と時期の整理を確認してください。

普通預金の通常条件と優遇条件を分けて比べる

次の金利は2026年10月27日の公式表示を確認した税引前年率です。普通預金は変動金利で、同じ利率が1年間続くことを保証するものではありません。手数料は税込みです。

普通預金の通常条件と優遇条件を分けて比べる
比較項目三菱UFJ銀行SBI新生銀行
円普通預金の通常金利年0.4000%スタンダード~プラチナ年0.500%
条件付きの普通預金金利本表は通常の円普通預金。カブドットコム支店は別条件ダイヤモンドステージ年0.550%
現金を引き出す基本条件自行ATMは8:45~21:00無料、その他110円。コンビニATMは別料金対象ATMはスタンダードで月5回無料、超過110円。対象外ATMあり
インターネットで他行へ振込通常、3万円未満154円、3万円以上220円。取引条件による優遇は別確認スタンダードは月1回無料、超過214円。上位ステージは回数・単価が異なる
比較するときの主な問い自宅・勤務先近くの自行ATMを必要な時間に使えるか対象コンビニATMと無料回数が自分の利用に合うか

金利:三菱UFJ銀行/SBI新生銀行。手数料:三菱UFJ銀行ATM・振込/SBI新生銀行ステップアッププログラム。

SBI新生銀行で上の無料回数の対象となるのはセブン銀行・ローソン銀行・イーネット・イオン銀行などです。ゆうちょ銀行等は別扱いなので、「どのATMでも無料」と読み替えないでください。また、新規開設時のステージ優遇と、その後の通常条件を分ける必要があります。一般には開設6か月目までプラチナですが、28歳以下やSBIハイパー預金等の条件で扱いが変わるため、最初の半年だけを見て判断しないようにします。

たとえば、金利が年0.10ポイント違う場合、100万円を1年間、金利と残高が変わらないものとして置いた利息差は税引前1,000円、税引後約797円です。20.315%の課税を仮定した概算で、実際の計算・端数処理とは差が出ます。この差と、年間に支払う振込・ATM手数料、管理の手間を並べて判断します。

証券連携預金は生活費を払う普通預金と使い方が違う

SBI新生銀行には、SBI証券の買付余力に残高を反映する「SBIハイパー預金」があります。10月27日の公式表示は税引前年0.600%です。普通預金のダイヤモンド金利とは別の商品であり、期間限定の金利上乗せキャンペーンもこの通常金利とは別に扱います。

ハイパー預金からATMで現金を引き出したり、他行へ振り込んだりする際は、先にSBI新生銀行の円普通預金へ振り替えます。口座振替の支払用資金としても、普通預金と同じ感覚で直接使える商品ではありません。証券取引による資金拘束も確認が必要です。

資金の経路は「ハイパー預金 → 新生銀行の円普通預金 → ATM出金・他行振込」と分けて考えてください。証券連携が不要な人まで、金利だけを理由に証券口座を増やす必要はありません。投信積立の窓口選びは既存の証券口座比較で扱っています。

出典:ハイパー預金・出金方法・商品説明書。

定期預金は期間と満期後の扱いまで読む

使う日が決まり、それまでは使わない資金なら定期預金も候補です。一方、突然の支出に備える資金までまとめて定期にする必要はありません。次は1年ものを比較する例です。

定期預金は期間と満期後の扱いまで読む
比較項目三菱UFJ銀行 スーパー定期の1年ものSBI新生銀行 パワーダイレクト円定期預金30の1年もの
10月27日の税引前年率0.5000%1.250%
最低預入額スーパー定期は1円以上300万円未満、1円単位30万円以上、1円単位
利率の決まり方預入時の約定利率を満期まで適用預入時の約定利率を満期まで適用
満期時自動継続または指定口座入金などを選択元金・利息を円普通預金へ入金。自動継続なし
満期前に必要になった場合期限前解約利率で計算原則解約不可。銀行がやむを得ないと認める場合に中途解約利率で計算

出典:三菱UFJ銀行の商品説明書(2022年4月1日現在、現行商品ページからリンク)/SBI新生銀行の商品説明書(2026年3月25日現在)。金利は上掲の各行金利一覧を確認しています。残高区分の違う商品や新規開設者限定定期を混ぜた比較ではありません。

中途解約では、当初の満期利息を受け取れるとは限りません。例えば1年ものを6か月以上1年未満で解約する場合、三菱UFJ銀行は預入日の6か月もの店頭利率の70%を基準とし、解約日の普通預金利率を下回らない扱いです。新生銀行が例外的に中途解約を認めた場合は、約定利率の50%で計算します。短い期間や長期商品では計算が変わるため、自分の預入期間に対応する行を読みます。

自動継続する場合、次の期間の金利は当初と同じとは限りません。使う予定日があるなら、満期と出金予定日を並べ、非継続の指定が必要か確認しましょう。期間限定キャンペーンは対象者・入金期限・上限・適用終了後の金利を別に読み、年率をそのまま短期の受取率にしないことが大切です。

保護される範囲は同じ金融機関内で合算する

利息の付く普通預金や定期預金などの一般預金等は、預金者1人につき1金融機関で合算した元本1,000万円までと破綻日までの利息等が預金保険の保護対象です。同じ銀行で支店や口座、普通・定期を分けても、保護枠がそれぞれ増えるわけではありません。

無利息・要求払い・決済サービス提供という条件を満たす決済用預金は全額保護です。どの商品が該当するかは銀行で確認してください。預金保険による保護と、物価が上がったときの購買力の変化は別の話です。後者はインフレと購買力へつながります。

出典:金融庁の預金保険制度。

本人確認の前に申込経路と同時申込を確かめる

銀行口座の申込受付と、開設完了、キャッシュカードの到着は別の段階です。急ぎの支払いがあるときは、開設予定だけを前提に引落先を切り替えないでください。

三菱UFJ銀行のアプリ案内は、国内に居住する日本国籍の方で、原則として同行の普通預金口座をまだ持っていない方が対象です。勤務先コードがある場合など例外もあります。現住所記載の運転免許証またはマイナンバーカード、SMSを受け取れる本人のスマートフォンを用意します。

この経路ではインターネットバンキング、Eco通帳、デビット一体型カード等が案内されています。また、銀行口座の開設完了後に申込情報がリクルートMUFGビジネスへ連携され、COIN+アカウントが作成されてメールで通知されます。選択プランによるクレジットカード・証券口座等も、銀行口座そのものと区別してください。希望しないサービスが含まれる場合や、対象条件に合わない場合は、申し込む前に店頭等の別経路を確認します。普通預金だけならマイナンバーの届出は任意ですが、本人確認にカードを使うことと番号の届出は同じではありません。

出典:三菱UFJ銀行のアプリ開設案内。紙通帳や未利用口座に手数料がかかる場合もあるため、口座を使わなくなった際の扱いも確認しましょう。

SBI新生銀行の総合口座は、日本居住で電話による確認ができる個人が1人1口座開設できる仕組みです。アプリは本人のSMS対応スマートフォンと、有効なマイナンバーカードまたは運転免許証を使います。未成年や外国籍、これらの書類がない場合はアプリと異なる案内を確認します。

免許証の裏面に変更後の氏名・住所がある場合は、新生銀行のこのアプリ経路では使えないため、別の書類やWeb等の経路を選びます。暗証番号が不明なときは当てずっぽうに入力を繰り返さず、公式の案内で確認してください。

出典:SBI新生銀行の開設の流れ・アプリ本人確認書類。開設の可否は銀行の確認によるもので、この記事は開設を保証しません。

利用開始後は入金と支払いを少しずつ確かめる

本人確認と開設が終わったら、公式案内に従って認証・通知・振込限度額を確認します。パスワードや認証コードは本人だけで管理します。その後、入金経路の手数料と反映時期を確認し、必要な金額を本人名義の口座から入れて残高を照合します。

給与受取や固定費の引落先を変える場合は、変更を申し込んだ日ではなく、実際に新口座で入出金された日を確認します。旧口座の残高は初回引落が確定するまで必要分を残します。家計の口座分けや固定費移行の詳しい運用はNoreliqa側の記事で扱い、こちらでは銀行の条件選びに絞ります。

最後に「今の口座を続ける」「必要な目的だけ新口座に分ける」「生活口座を段階的に移す」のどれが合うか判断してください。口座数を増やすことではなく、必要な日に、納得できる費用でお金を使える状態にすることが目的です。